空より広いもの
脳について、エミリー・ディキンソンが次のような詩を残している。
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立花 だいたい一つの文章を読んで理解するまでに0・5秒かかる。0・5秒は五百ミリ秒です。いまやミリ秒単位で脳を詳細に観察できますから、ある言葉を目にしたとき、脳のネットワークの中で何が起こるのか調べることができる。
以前美智子皇后が子供たちへの絵本の読み聞かせを奨励したことがありましたよね。この読み聞かせが脳の発達にとって非常に重要だということが、先ほどの『プルーストとイカ』に書かれています。人間にはもともと読書をする遺伝子は備わってはいない。実際、人類において書き言葉の歴史より話し言葉の歴史の方がはるかに長いんです。要するに、本の世界以前に音声による伝承の世界がある。伝承文化が積み重なった結果として、文字文化が生まれるわけです。だから、文字を読む、本を読むための脳回路は親と教師が育てる必要があります。
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立花 こうして口承から文字で書かれた書物の世界になるわけですが、読字、ひいては読書をすることによって人間の脳の回路はどんどん変化するんですね。人間がどの言語世界で育ってどのような文字を読んでいるかで、脳が全然違ってくる、と今読んでいる『プルーストとイカ』(M・ウルフ著/インターシフト)という脳科学の本に書かれている。日本語で育つか、中国語で育つか、英語で育つかによって脳が変わってくる。
佐藤 どの言語世界で育つかによって違うんですね。読むことで脳の回路が開ける。読書とはまさに人間を造るものなのですね。私は立花さんと違いインターネットをそれほど重視しないのですが、とすればネット時代になっても、ますます紙の上に書かれた文字を読む必要性は高まるのではないですか。
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ダーウィンは、どこから見ても紳士のなかの紳士だった。控えめで、いさかいを恐れ、保守的な英国教会派の名士たちと付き合い、都会の喧騒と論争から距離をとった静かな暮らしを望んだ。
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パプアニューギニアにクールー病(現地の言葉で「震える」の意味)という風土病があった。ニューギニア島南部高地に住むフォレ族の間で1950年代から60年代にかけて広がっていた病気である。
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アメリカの小学校から高校にまで普及している「脳に基づいた学習」という興味深いテクニックがありますが、このテクニックは、神経科学者たちが解明した辺縁系の機能を用いています。
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