予期せぬポイント
空に笑む母
松本典子
やはらかく空に笑む母ことのはの裏おもてからもはや解かれて
風わたる緑陰に会ふおしやべりな母が秘め来し女ともだち
家・くるま・光熱費ほかひとりゐの母うき彫りにあかす通帳
カレンダー代はりに数ふお見舞ひのカフェを買ふたび貯まる
ポイント
わが黙へカフェの香すつと差し出すバリスタは伏し目がちに
ほほ笑み
きみの眼の翳りみるのみ手のひらの鍵はかたちを成さぬままにて
ひまはりの日に向かふ夏くちづけで汚せぬ愛をこころに秘めて
『文藝春秋2011・8』
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)












