シュール体験
この、地球をあげて焚かれる大篝火の煙たい隅で、長身で禿げかかった筋肉質の三十代の男性ヒュートソンは、ドライスーツとライフジャケットを身にまとい、凍てつく北大西洋に身を投げ出す。聳え立つリグを目的地へ引く巨大なタグボートの通り道に何時間も浮かび、力を抜いて星を見上げていると、腹の底で地震計を用いる測量技師が放つエアーガンの振動を感じる。彼はそれをシュールな体験だと形容した。
ソニア・シャー『石油の呪縛と人類』集英社新書2007年
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