取り持つ
『取り持ち女』という奇妙な名前で呼ばれているこの絵はフェルメール作品の中でもかなり大きい。取り持ち女とは、この絵のいちばん奥手に顔だけが描かれている地味な印象の、しかし抜け目のない表情の人物である。黄色い服を着て白いヴェールを被った娼婦と、赤い服の客のあいだを取り持つ女。客の手はすでに娼婦の胸にのびている。しかし、取り持ち女はおこたりなく、客が娼婦の手のひらの上に金貨を落とす、まさにその瞬間を見届けようとだけしている。
福岡伸一『フェルメール 光の王国』木楽舎2011年
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