治る見込みのない病気
当時のヴェネツィアはイタリア文化史上、ひとつの頂点を迎えていた。頂点とは爛熟という意味において。通常、高級娼婦、と訳される彼女たちの交際相手は、貴族や高位聖職者に限られていた。彼女たちは美貌と肉体だけでなく、文学や詩、哲学や神学にも優れていた。そのうえ楽器を演奏し、歌がうたえるなど「文化のあらゆる分野にわたる教養を身にそなえていることが肝要であった」。彼女たちは、愛人たちの富と権力を背景に、贅をつくした、そして文字通り爛れた生活を送っていた。そして闇への扉はいつも開いていた。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)




