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2011.11.24

憂いのない朝

昨日の午過ぎから穏やかに晴れたのが嬉しくて、夜は空の星々をたっぷり眺めた。古くからの星座はそれとして、嘗て気儘に楽しんだように、自分一人の新しい星座を想い描いているうちに夜が更けて行った。

 夜明けの早くなったその時刻も待ち切れずに、靴の紐をしっかり結んで、何かに巡り合えそうな豫感を抱いて、星の消えて行く新しい一日の道を歩いて行った。
 貴重なものを見落とすまいと視野の角度を出来るだけ廣げて行くと、人の生活の中からは聞こえて来ない、明るく澄み切った声が全身に染み渡った。それが若しひと声だけ聞こえて途絶えてしまったのなら、自分の聴覚を疑ったかも知れないが、進むにつれてその声は、二重三重となり、鳴き交わすのでもなく誘い合うのでもなく、地上の外の世界へと牽かれて行く気分に酔うようだった。
 この草原に集まっている鳥達は、想像も出来ない手段で夜明けを呼んでいた。

串田孫一『鳥と花の贈りもの』暮しの手帖社2006年

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