DNAは語る
本書ではここ20年ほどのDNA研究が明らかにした人類の足跡をたどってきました。20~10万年前にアフリカで誕生した私たち人類すべての祖先が、どの時期にとのようなルートで世界の各地に拡散したかを概観し、さらに、ユーラシア大陸の東端にある日本にどのようにたどりついたのかという、私たち日本人の成り立ちについて見ていきました。その意味では、本書は人類の歴史について書かれた書物ということになります。
一般に歴史は、有名な個人や一族、あるいは王権や政権に起きたできごとを中心に語られるものですが、DNAが明らかにする歴史は、基本的には特定の人たちの話は出てきません。DNAの物語る歴史は、個人が持つDNAに刻まれた人類の歩みを手がかりに話が組み立てられていますから、必然的に私たち人類すべてが歩んできた道、日本人すべての成り立ちの物語となるのです。
篠田謙一『日本人になった祖先たち』NHKブックス2007年
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