一応OK
「ダメです、加藤さん。もっと怒ってください」
何度やっても「まだダメです。まだ足りない」と言われて戸惑っていると、「あなたは本当はもっと怒ってるでしょう、男に」っておっしゃった。「まったく男ってのはどうしようともないバカで、ロクなことをしないですから。そのどうしようもなさに対して、何十年、何百年積り積もった怒りを束にしてブチかましてやってください」
そこは、戦闘でボロボロになった飛行機乗りのポルコが、心配するジーナに電話してくるシーン。ジーナが「もう危ないことはやめて」と懇願すると、「飛ばねえ豚はただの豚だ」って例の有名なセリフをポルコが言う。それにジーナが怒って「バカッ!」って叫ぶという、作品の中でも重要な場面でした。
男は放っておくとロクなことをしない。一方、それを見守る女性は強く正しく賢い。宮崎さんの根っこにはそんな人間観があるようなんですね。36回目の「バカッ!」で、ようやく「まぁ一応、OKかな」と言ってもらえました。
盟友・加藤登紀子が明かす 宮崎駿という転載と付き合って分かったこと『週刊現代8月20・27日』
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