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2011.06.12

武谷三男氏

敗北力の裏打ちのある勝ち戦を進めることができたのが、児玉源太郎、大山巌の率いる日本の軍隊だった。しかし、この敗北力は大正・昭和に受けつがれることがなかった。

 今回の原子炉事故に対して、日本人はどれほどの敗北力をもって対することができるか。これは、日本文明の蹉跌だけではなく、世界文明の蹉跌につながるという想像力を、日本の知識人はもつことができるか。原子炉をつくりはじめた初期のころ、武谷三男が、こんなに狭い、地震の多い島国に、いくつも原子炉をつくってとうなるのか、と言ったことを思い起こす。この人は、もういない。

鶴見俊輔/敗北力『世界2011・5』

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