恋と愛
「翔太は、好きな女の子、いるの?」
「・・・・・・特にはいないけど。」
「そうかい? まあいいけど、きみがもし誰かをほんとうに愛しているなら、その人の持つどんな性質の変化にもかかわらず、その人を愛し続けることになるはずなんだ。愛とはそういうものさ。その人が発狂しようが、植物人間になろうが、顔かたちがめちゃめちゃになろうが、その人がその人でありさえすれば、愛は変わらない。恋愛っていうけどね、恋と愛とはそこが違うんだね。恋はその人の持っている何らかの性質に向けられるものだけど、愛はそうじゃない。愛はね、その人そのものに向けられるものなんだよ。」
永井均『翔太と猫のインサイトの夏休み』ちくま学芸文庫
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