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2010.11.30

理解できない行為

「キャシーの元旦那は、心の連続殺人者だったんだな」
「その表現は的を射てる」
「そして、お約束どおり、キャシーは元旦那のところに帰っていった」頭のなかで何か具体的な出来事が再現されたのだろう、ボーリングの顔からいっさいの表情が消えた。人の心は、抽象的な物事にはまず反応しない。心をひどく痛めつけるのは、するどく失った記憶の小さな断片だ。ボーリングの顔は、次の瞬間にはいくらか強ばった笑みを取り戻していた。

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2010.11.29

水道業界の2040年問題

程度の差こそあれ、人口減少は、ほぼ例外なくすべての自治体を襲う。そうなったとき、われわれの生活はどうなるのか。

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2010.11.28

ママは僕のもの

父親の死後、ウェスは母親が仕事以外で会う男性を例外なく嫌悪する。ダンスがかかっているセラピストによれば、そういった男性たちを、家族や父親の思い出に対する脅威と見なすからだ。

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2010.11.27

流行病のモデル

「仮想世界と現実世界の交錯ぶりがわかりやすい例がある。有名なオンラインゲームの"ワールド・オブ・ウォークラフト"です。設計チームは、デヴァッファーとして伝染病を用意しました。ああ、デヴァッファーというのは、キャラクターの防御力や体力を低下させる要素のことです。伝染病の名はコラブテッド・ブラッド。これに感染すると、強いキャラクターは体力が低下するだけですが、まだ充分に育ちきっていないキャラクターは死んでしまいます。やがて不思議なことが起きた。どうしてそんなことになったのか、誰にもわからないんですが、デヴァッファーの制御がきかなくなって、勝手に広がり始めたんです。まさに仮想世界の黒死病だった。設計チームにはそんな意図はなかったようですがね。感染した全キャラクターが死ぬか、順応するかするまで、感染は止まらなかったアトランタの全米疾病センターがこの事例を聞きつけて関心を示し、研究者を集めて、この伝染病の蔓延のプロセスを研究しました。これを現実世界での流行病研究のモデルとしたんです」

ジェフリー・ディーヴァー『ロードサイド・クロス』文藝春秋2010年

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2010.11.26

住民票は仮想世界

「シンセティックワールド?」
「エドワード・カストロノヴァの著書で使われている言葉です」

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2010.11.25

神に誓って

「あたしの知らない人でした。神様に誓ってもいい」
嘘を示唆する明確な旗の一つ―"誓ってもいい"。
紙を持ち出すのもそうだ。"いまあたしは嘘をついてます! ほんとのことを話したいのは山々だけど、怖くて話せません!"と叫んでいるのも同然だった。

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2010.11.24

識字化と出産率指数の低下

前世界規模の教育と人口に関わる二つのパラメーターは、歴史の意味=方向が存在するというフクヤマの仮説に具体的な内実を与える。識字化と出産率の制御は今日、まさしく人類普遍の要素と考えられるからである。ところでこの進歩の二つの様相を「個人主義」の伸張に結び付けるのは困難ではない。個人主義の到達点とは、政治的領域における個人の確立ということ以外あり得ない。民主主義の最初の定義の一つは、アリストテレスによるものであったが、それは人間が「己の欲するように生活を送る」ようにするために、自由(エレウテリア)と平等(イソノミア)とを結び付ける、完全に近代的な定義であった。

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2010.11.23

無駄遣い

ペットボトルの回収と簡易洗浄などにかかる費用は自治体負担で、その額は1Kg当たり500円くらい。これをさらにフレーク状にする費用が1Kg 約100円ですから、計600円になります。このフレークはゴミを多く含むので、透明な食品容器には使えず、用途がは限られるため、値段はキロあたり3円ほどです。つまり600円のコストをかけて3円の商品を生産するわけで、これがペットボトルのリサイクルの実情と言えます。
 
槌田敦氏(元・名城大学経済学部教授)/ペットボトルのリサイクルに何の意味があるのか『週刊現代2010.12.4』

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2010.11.22

自分をなくしていた父

『巴里に死す』などで知られる、昭和の人気作家、芹沢光治良は、父が天理教に入信し、一切の家財を寄贈してしまっため、苦学を強いられた。秀才だったために、一高を経て帝大、高等文官試験合格を果たしたが、その間の苦労はなみなみならぬものがあった。けれども、同時に信仰に生きた父を深く尊敬もしていたのである。自伝とも言い得る大長編、『人間の運命』で、自らの父について、他者の口を借りながら、こう述べている。

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2010.11.21

2050年安定化

人間が、より正確に言うなら、女性が読み書きを身につけると、受胎調節が始まる。

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2010.11.20

脱分極と活動電位

細胞内が電気的に陰(マイナス)極、細胞外が陽(プラス)極になっている状態を「分極状態」といいます。神経細胞の膜電位が、何らかの原因で静止膜電位からゼロに近づく減少を、分極状態から脱するという意味で「脱分極」といい、逆にさらにマイナスの値が大きくなることを「過分極」といいます。

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2010.11.19

脱髄

神経線維の途中が絞扼されたり、圧迫、脱髄、切断されたりすると、痛みが生じます。

脱髄:有髄線維の軸索線維を覆う髄鞘が破壊されること。髄鞘は、大部分が脂肪で構成され、神経の電器伝導を速める仕組みに関わっている。脱髄疾患は、ウィルス感染、アルコールなどによる中毒、栄養障害が原因で起こるが、原因不明のものがある。

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2010.11.18

痛みの定義

1974年に国際疼痛学会(IASP)が発足した時、世界各地から選ばれた臨床医学者、心理学者からなる用語委員会が組織されました。ウェスタンオンタリオ大学の精神科医のハロルド・マースキーが委員長となって、5年の歳月をかけて、痛みの公式定義を発表しました。

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2010.11.17

就航第一便乗船の意外な人物

その大阪国際フェリーの就航第一便は釜山から大阪に向けた船だった。1986年の3月31日のことである。そこには、政財界の錚々たる顔ぶれのほかに、意外な有名人が乗船している。「よほど第一便に乗りたかったのでしょう。本人自ら乗船の申し込みをしてきました」(中略)
「申し込んできた名前は小田剛一。聞いたこともない名前でした。国際航路なので、テロ対策もある。乗船者はすべて、どんな人か確認しなければなりません。彼は招待客でもなかった。それで本人に職業を聞いたのです。すると俳優だという。なんとあの高倉健じゃないですか。驚きました」

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2010.11.16

日本の宿痾を背負った男

在日、同和、右翼、暴力団には、それぞれ活動団体や組織が個々に存在する。だが、日本社会において、この四つの団体やそしきは、脈絡なく無関係に存在しているわけではない。それぞれが密接な繋がりを持ち、人間模様が絡み合っている、そして、在日問題には、それらの抱える諸問題が集約されているという。許が在日問題に関し、「日本の宿痾が内包されている」と表現してきたのは、まさしくそういう意味である。

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2010.11.15

ダーウィンのミミズへの情熱

彼の死の直前、風刺週刊誌『パンチ』の1882年版年鑑に、ある風刺画が掲載された。瓦礫の中から現れたミミズに、サルの頭と尾が生え、それが2本足で立ち上がり、さらに腰布を巻いて棍棒と持つようになり、ついに老ダーウィン自身の姿へと変貌をとげていく絵である。

表題にいわく「所詮、人はミミズなり」

エイミィ・ステュワート『ミミズ』飛鳥新社2010年

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2010.11.14

3匹目

「私が噛み煙草を噛みながら、あるいは百花香の香水や酢酸を数滴たらした脱脂綿を口に含んで息を吹きかけても、同じように無関心だった」

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2010.11.13

缶切りを持たずに缶詰に囲まれた生活

土にすむ生きものの間で起きていることを、土壌生物学者は、「食物連鎖」ではなく「食物網」という言葉で表現するが、それにはもっともな理由がある。ミミズとその他の土壌動物の間の複雑な関係を図に表すと、階層構造にはならず、クモの巣状になるからなのだ。

 

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ミミズの動き方

かちかちに固まった粘土質の土を指で押してみよう。どこまで指が入るだろうか。うちの庭の土はとても固いので、指でつついたくらいではへこみもしないし、ひどく湿った朝以外は、シャベルですらなかなか刺さらない。ところがミミズはどうだろう。あの背骨もない弱々しい生きものが、この固い土のなかをしっかりと進んでいく。

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2010.11.12

ミミズ

この生きもの以上に、地球にとって大事な役割を果たし続けてきた生物がいくつも存在しているとはちょっと考えられないーチャールズ・ダーウィン

エイミィ・ステュワート『人類にとって重要な生きもの ミミズの話』飛鳥新社2010年

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2010.11.11

金春芸者とコーチン芸者

銀座の非セラピー的な気位の高さは、いまにはじまったことではない。能楽の金春家が拝領していた土地に集まっていたことから「金春芸者」と呼ばれていた。今日の「銀座の女」の前身をなすお姉さん方は、容易なことでは男のいいなりにならないことで有名だった。気位が高いというか、なんじゃかんじゃ出し惜しみをする技に巧みだったのである。

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2010.11.10

やっぱり日だまりの下がいいのです

石井光太郎氏(ノンフィクション作家)は、ある児童福祉施設の院長から「今、うちに入っている子どもたちは、戦後すぐの浮浪児よりもひどい」と打ち明けられた。昔の浮浪児たちの多くは戦争で親を亡くし、「家庭」を感じたことがある。しかし、現代の子どもたちにその経験はない。だから、身近な人たちと絆を結ぶことが難しいー。

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2010.11.09

骨粗鬆症対策

「骨粗鬆症」のリスクを最小限にするための、私からのアドバイスは次のとおりである。

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2010.11.08

カルシウム摂取問題

教授は1950年代前半から始まった「カルシウム問題」に取り組み、1980年には、米国最初の「ダイエタリー・ガイドライン(食事指針)」の主要立案者として働き、1986年にこのグラフを発表している。

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2010.11.07

女性の骨折率の不思議

実は最も多く牛乳や乳製品を摂取している国の骨折率が最も高く、骨の健康状態が最悪なのだから、何かがおかしい。なぜこうした矛盾が起こるのだろうか。

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2010.11.06

婆娑羅ファッション

日本の歴史にあらわれた最初の現代ファッションは、たぶん中世の「婆娑羅」と呼ばれる派手な格好だろう。この婆娑羅ファッションを流行らせたのは、墓地や処刑場を生活や仕事の場所としていた人々だったようである。

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2010.11.05

発声記号

メルヴィル・ベルは、演説法について、たいへん人気を博したテキストを出版し、さらに、「視話法」と呼ばれる、当時世界的に高く評価されたシステムを開発した。視話法とは、それぞれの音声に対して、それを出すときの舌と唇の位置を示す記号を割り当てて、人間が発しうる音声のすべてを体系的な一覧表にしようという、すばらしく壮大な、ヴィクトリア朝的流儀に則った試みだ。(中略)

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2010.11.04

日本人の趣味

自然界のどこにも似ているものがない、というのが怪物のしるしであるが、歌舞伎役者もまたあらゆる意味で、社会の常識を超え出たところがなければ、とうてい人気を博することはなかった。いまでも歌舞伎役者の顔を見ていると、あっこれは琉金だ、こっちは花房だ、頂点眼もいるねえ、という具合に、いろいろな種類の金魚を見ることができる。プロポーションの美しさなどはそっちのけで、こういう怪物的な美を楽しんだ日本人は、ほんとうに趣味のよい人たちだったのである。

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2010.11.03

赤ん坊の声と電話

この「しゃべる機械」の製作が、わたしの研究者としての人生の重要な転換点となったのは確かだ。声帯の機能をよく知ることができたし、また、このおかげで、電話へと通ずる道を歩み始めることになったのだ。

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2010.11.02

金魚の飼育

江戸時代に描かれた浮世絵を見ると、そういう金魚がまさに繚乱の美を誇りながら、都市生活を彩っていた様子を知ることができる。その頃、人々の暮らしは同じことのくりかえしでできていた。生物の世界でおこっているのと同じように、武士の子供は武士になるし、百姓の子は百姓になるのだ。社会は同じものの反復でできていると、たいていの人が信じていた。

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