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2010.07.19

未来を見るために

10月19日 その帰途、家の前の石段を登る途中、突然、息が苦しくなる。あえぐ。ふいごの如く波打つ胸。全身に酸素を配送しようとしてフル回転する心臓。「死」を決意した数秒間。

第二日以降
 MRI
 核医学
 胃カメラ

 (※最後のページ)
 過去は泣きつづけている―
 たいていの日本人がきちんと振り返ってくれないので。

 過去ときちんと向き合うと、未来にかかる夢が見えてくる

 いつまでも過去を軽んじていると、やがて未来から軽んじられる

 過去は訴えつづけている

 東京裁判は、不都合なものはすべて被告人に押しつけて、お上と国民が一緒になって無罪地帯へ逃走するための儀式だった。
 
 先行きがわからないときは過去をうんと勉強すれば未来は見えてくる。

 瑕こそ多いが、血と涙から生まれた歴史の宝石

              
(中略)
やはりがんを看取るのはつらいことです。百歳を過ぎて、すーっと眠るように息を引き取る人が羨ましくて仕方ありません。
 入院中に、ひさしさんと交わした会話をふと思い出します。いろいろな人の闘病について話していた時、「病気の進み方もみんなそれぞれ違うのだから、比べようもないし,・・・・・・」と言う私に、ひさしさんはこう答えたのです。「戦争や災害だと、たくさんの人が同じ死に方をしなきゃならないんだ。ひとりひとり違う死に方ができるというのは幸せなんだよ」

井上ユリ/夫の肺がん173日闘病記「ひさしさんが遺したことば」『文藝春秋1010・7』

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