1957年、フォーチュン誌は、J・ポール・ゲティを世界一の富豪と報じた
ゲティは私生活でも華麗なスキャンダルに彩られている。吝嗇と好色。五回結婚し、五回離婚。ガールフレンドの数は数え切れない。彼は女たちに残す遺産額を記した遺言書を毎年書き換えて、彼女たちを競わせていたという。
ゲティの吝嗇ぶりについても枚挙に暇がない。寄付を求める依頼が常に殺到したが一顧だにしない。客を招待した自邸のパーティ会場に有料電話を設置した。あげくのはてには、孫が身代金目的で誘拐され、その際、最初は支払いを拒否した。しぶしぶ承諾するもその額を値切った。かわいそうな人質は耳を切られ、なんとか生きて帰ってきた。
福岡伸一『世界は分けてもわからない』講談社現代新書2009年
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