仏教文化を土台としたブータン
日本も仏教の国だが、仏教の教え―知足少欲や平等、平和といった価値観が浸透しているとはいえず、教育基本法を変えるなど行政主導の「道徳教育」が行われてはいるものの、仏教的価値観は取り返しができないほど薄れてしまっている。
その仏教的価値観がブータンには息づいている。社会の土台に、仏教の行動規範から来る「ドウリクラムナンザ精神」が浸透している。ドウリクラムナンザ精神は仏教の教えから来ており、家庭や職場・学校で、意識的に互いに調和して生き、家族の崩壊を防ぎ、社会で高齢者をいたわり、学校や職場で互いに助けあうことで、社会のセーフティネットにしていこうというものである。
ブータン流の民主化は、高校生の言うように、仏教の平等主義と平和主義とが織り込まれた、人間味豊かで奥の深い民主主義が確立されると思われる。このような「ブータン流」は、人口規模で共通する日本の自治体に多くのヒントを与えてくれるだろう。
大橋照枝(麗澤大学教授)/幸福をめざす<ブータン流>『世界2009・8』
| 固定リンク













コメント