水不足・・・中国
企業の努力と国の援助で、プラントの輸出コストは下がり販売は大きく伸びた。
この結果、日本は中国市場で水ビジネスを展開する機会を得た。中国の水事情は深刻である。とりわけ北の大都市が慢性的な水不足に悩んでいる。そこで中国政府は、南の大河長江から北へ運がで水を送るという壮大な計画を進めた。ルートは三本ある。東ルートと中央ルートは既に完成したが、決定的な解決策にはならなかった。依然として水が足りないのである。
足りないのは農業用水と生活用水である。中国の北部は南部に比べて田畑が多い。しかし北京近郊などは、二一世紀に入った頃から稲作を禁止した。水を節約するためである。二〇二〇年頃になると、栽培禁止の作物が他にも増えてきた。膨大な人口を養う食料の確保が大命題の中国で、これは致命的である。もはや海水を淡水にして灌漑用水にする以外手段はない。中国政府は、日本からの膜プラント輸出に大きな期待をかけた。日本企業が建設するプラントは海沿いに並び、淡水化した水はパイプラインで穀倉地帯に流れた。
中村靖彦(農政ジャーナリスト)/「水ビジネス」活路あり『文藝春秋2010・2』
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