化学者の生命観
プリオン説は、ドイツの化学者で、1828年に、体内でできる化学物質を試験管の中で完璧に合成する方法を見つけたフリードリッヒ・ヴェーラーが言った「科学の大いなる悲劇、醜い事実による美しい仮説の抹殺」のさらなる例でもあった。
この場合、生命とはいわく言いがたいものであり、何物とも比べようのないほど生き生きした存在だというのが仮説、実は化学的な現象に過ぎないというのが現実だ。つまり、1855年にドイツの化学者ユストゥス・フォン・リービッヒ男爵が書いたように、生命とは「ありふれた化学の力による化学プロセス」でしかないのだ。
ダニエル・T・マックス『眠れない一族』紀伊國屋書店2007年
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