たらい回し
ジミー・カーター米大統領:
シャー・パーレビは重いガンに罹っていた。しかし、彼の亡命をどこの国も認めなかった。しかたがないので、彼を引き受けて、ニューヨークの病院に入院させたんだ。
1974年4月にイラン・イスラム共和国が成立すると、シャーを裁判にかけるんだと、身柄の送還を要求してきた。私は、人道的見地から、これを拒否したんだ。
ところが、これでイラン国民の反米感情に火が付いてしまった。11月4日に、デモを装った学生が、テヘランのアメリカ大使館を襲って、大使館52人を人質に、占拠した。
私は、2期目を目指す大統領選挙前に、何とかこの人質を取り返そうと、特殊部隊を派遣したんだが、輸送機とヘリコプターが砂嵐に巻き込まれて衝突、墜落。作戦は失敗してしまった。私のメンツは丸潰れだ。
共和党のレーガンは、この事件を大いに利用して、大統領選で私を打ち破った。正に大統領就任式の81年1月20日、人質は解放された。イランと裏取引があったのだ。
レーガンが大統領になると、シャーはアメリカを追い出され、色々な国をたらい回しにされて、最後は80年にカイロで亡くなった。
山井教雄『まんが現代史 アメリカが戦争をやめない理由』講談社現代新書2009年
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