イクサコンまで行こう
いまのスパコンで心臓のシミュレーションをすると、一心拍を追うのに、二日もかかる。しかし、十ペタコンなら、全身の動脈・静脈網と心臓を結合した血流シミュレーションが一日かければできる。
さらにワンランク上のイクサコンになると、数時間かければ「骨格筋系+神経系+循環器系の全身運動シミュレーション」が可能になる。いわば、人体のすべてがシミュレーション可能になり、医学は飛躍的にに発達する。同様の大変化が全領域で起きていく。
実はこの原稿、「十年後にがん克服は可能か?」という形で依頼されたのだが、それは全く不可能ということがわかりきっているので、こういう原稿にさせてもらった。だが、このイクサコンまでいけば、がんの生まれてから死ぬまでを分子レベルでシミュレートすることが可能になり、その先にがんを克服する日が見えてくるのではないかと思っている。
立花隆(評論家)/スパコンでがん解明『文藝春秋2010・2』
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