眠るが如く
塩野 着物のときは、わたしみたいな着慣れてない人は帯揚げをのせる台を帯びに通すの。あれやるとどんな人でも背筋はビシッとします。ローマ人での外国人が集まるパーティのときは、母親のお下がりの着物を着て行きます。
瀬戸内 昔のものはいいからね。
塩野 なぜそれがいいかというと、わたしたち日本の女って洋服よりも着物のほうが背筋がしゃきんとするんです。
瀬戸内 着物は美しい。洋服だと宝石がいるでしょう。着物はそれがいらない。
塩野 わたしたちだけでも死ぬまで背筋をビシッとしていきませんか。
瀬戸内 あなたとわたしはすでに自然にそうしていますよ。
塩野 2000年前のローマの賢人たちは、年老いてちょっと危ないなって感じたときには、ひたすら水ばかり1~2ヵ月呑んで眠るがごとく死んでいったそうです。先生もわたしも最後は、これでいくしかないですかね。
瀬戸内寂聴×塩野七生/「どうやって死にましょうか」『週刊現代2010.1.30』
| 固定リンク
|





コメント