新しい視聴の仕方
申し訳ないことながら、私はラジオの熱心なリスナーであったことはない。誘われるままに出ていた時期のあるテレビには原則もう出ないでおこうと4年前に決めた。とりわけ、短くしか話せないやつは絶対に。そもそも、条件反射に優れたプロは山ほどいるのだから。
しかし、ラジオからのお誘いはできるだけ断らないようにしている。理由は、①顔を晒さなくてよい(笑)、②きちんと過不足なく話せる、③たとえ視聴者を叱りつけてもスタッフ側は鷹揚に構えてくれる、④「ながら」の視聴者が多く身近なメディアであり、⑤最近はポッドキャスト普及のおかげで、世界中どこにいても聴くことができる、などの理由による。
テレビや映画は、私などが言うまでもなく「作りこむもの」である。それはそれで楽しめばいい。ラジオは、自然体で始まってしまうものであり、結局やる側が楽しんでいれば何とかなるものである。
双方向という名の偽善ではなく、「キラ☆キラ」では、番組を聴きながらネット上に感想やら突っ込みやらが頻繁になされている。その数は膨大だ。完全に参加しているのである。スタッフやパーソナリティも自ら書きこむ。つながっているのである。
紅白やM-1でも、制作者サイドからすれば期せずしてということになるだろうが、ツイッターで大量の突っ込みがなされた。生番組ならではであり、またこれまでのネットの不愉快な部分が淘汰された結果、TL(タイムライン。フォローしている投稿の列)や#kouhaku(#はハッシュタグと読む。この場合は紅白についての「つぶやき」がリアルタイムで集中的に読める。後でもちろん読むことができる)を見ているだけで、かなり面白かった。
日垣隆/メディア考現学 なんなんだこの空気は『週刊現代2010.1.30』
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