旅先での食事
次に私は、「では食べ物とキャンプ用品はいつもどうされていたか少し教えてくださいますか」と言った。それに対して彼女は次のように答えた。
「朝出発する前に、お茶[紅茶]をカップに一杯飲み、小麦粉を「粥状にしたもの」を少し食べます。これは水に入れた小麦粉を沸騰させて作るのですが、小麦粉は現地で手に入ります。朝食の後はいつも決まって正午まで旅を進めます。昼には私のために働いている男たちが食事と休憩に一、二時間とります。その間に私はもし手に入るならチョコレートかナツメヤシの実や干しぶどうを少し食べます。もし馬に乗りテントを携えて旅しているときであれば、この休憩時間を利用し、小さなテントの中の地べたで休みます。テントはこのために携帯しているのです。重さが八~一〇ポンド[三・六~四・五キロ]なので鞍の後ろに革紐で縛っておけます。このテントはプライバシーの守られた静かな空間を存分に与えてくれます。このことはかなり重要なことです。私は午後五時から六時の間に野営地や宿に着くのがよいと思っています。到着するとまず折り畳み式ベッドを伸ばし、四個になって一休みし、お茶をカップに一杯飲みます。それから夕食の準備ができるまでの間、いつも持参している直立の折り畳み椅子に座っています。その椅子は先にお話した特性の蚊帳の下に置かれています。それほど疲れていない場合にはその日の旅について書き留めておきます。この作業は私は膝の上に書写板を置いて行うのですが、足乗せ台には革製のカメラケースを利用します。自分のカメラの三脚にランプを据え、ブーツをその下に括り付けて固定します。そしてたいていの場合には写真撮影用のランプをカバーを外して使い、白色光が当たるようにします。大変重要なことです。十分な光を得ることができます。
イザベラ・バード『イザベラ・バード 極東の旅2』平凡社2005年
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