夢が危険
――米国の問題は、実は「アメリカン・ドリーム」に内在するものではないですか。
答えはイエスだ。夢っていうところが危険なんだ。いつか金持ちになるって、鼻先にニンジンをぶら下げるようなものだ。君たちの国では「君もいつか大金持ちになれる!」なんて子どもを育てたりはしないだろう? 「何それ、冗談も大概にしとけよ」で終わるよね(笑い)。
――日本人にとって、米国は長い間、あこがれの存在でしたが。
確かにいいとろころもあるよ。しかし、米国のように振る舞えば、米国のようになってしまう、と言いたいんだ。ジャズやジーンズの話をしているんじゃない。米国化が進めば、暴力も増えるし、銃の数も増え、アホな人々が増えてしまうんだよ。今すぐ止めないと(笑い)。
――米国の好きなところはどんなところでしょうか。
まず言いたいことを言えるところだね。米国人の明るい人柄も好きだし、中西部の風景も大好きだし。そうだな、今度は米国の好きなところばかりを描いた映画を作ろうかな(笑い)。でも、今は直さなきゃいけない部分が多すぎる。米国を愛しているからこそ、今みたいに世界に負の影響力ではなく、もっと良い影響力を持つ国だと思われたい。だからこそ、僕はこうした映画を作り続けているんだ。
マイケル・ムーア(映画監督)/「残り1枚を9人で分ける 良いと言えるかい?」フロント・ランナー『朝日新聞be on Saturday2010.1.16』
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