数字にも友愛がある
フェルマーが発見したことの一つに"友愛数"または"友数"と呼ばれる数の問題がある。
これは二千年前にピュタゴラスを魅了した完全数と深くかかわり合っている。友愛数とはペアになった二つの数で、一方の数が他方の数の約数の和になるようなものである。ピュタゴラス教団は、220と284が友愛数だというめざましい発見をした。220の約数は1、2、4、5、10、11、20、22、44、55、110で、これらの和は284である。一方、284の約数は1、2、4、71、142で、これらの和は284である。これらの和は220となる。
こうして、この二つの数は友愛の象徴となった。マーティン・ガードナーの『数学のマジックショー』という本によると、中世には愛を育む護符として、この二つの数字を彫りつけたお守りが売られていたという。アラビアの数霊術師は、数学的な媚薬として、二個の果物それぞれに220と284と彫り、一方を自分で食べ、もう一方を愛する人に与えるという方法を書き残している。初期の神学者たちは、ヤコブがエサウに二百二十頭のヤギを与えたという聖書の記述に注目した(創世記32-15)。そして友愛数の一方に相当するヤギを与えたことは、ヤコブのエサウに対する愛情を表すものと考えたのだった。
サイモン・シン『フェルマーの最終定理』新潮社2000年
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