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2009.12.21

ディオファントスの年齢

数論の領域で『原論』に匹敵する書物を編纂したのが、伝統あるギリシャ数学最後の巨星、アレクサンドリアのディオファントスである。ディオファントスの数論における業績はその書物に詳細に記されているけれども、この恐るべき学者については実質的にそれ以外のことは何も知られていない。ディオファントスがどこの生まれかもわからないし、彼がアレクサンドリアにやってきたとされる年代には、なんと五百年もの幅があるのだ。彼は著作中にヒュプシクレスの言葉を引用しているので、紀元前一五〇年よりも後に生きていたはずである。一方、アレクサンドリアのテオンがディオファントスを引用しているので、西暦三六四年より前に生きていたはずだ。妥当なところで、彼がアレクサンドリアにやってきたのは、西暦二五〇年ごろのこととされている。問題解決人にふさわしく、ディオファントスの生涯は墓碑銘に刻まれた謎として今日に伝えられている。

このみ墓にディオファントスの眠りたまう。ああ、偉大なる人よ。
その生涯の六分の一をわらべとして過ごされ、十二分の一の歳月の後には
ほぼ一面意にひげがはえそろい、その後七分の一にして華燭の典をあげたまう。
結婚ののち五年にして、ひとり息子を授かりぬ。ああ、不幸なる子よ!
父の全生涯の半分でこの世から去ろうとは! 父、ディオファントス
四年のあいだ数の学問にてその悲しみをまぎらわせ、ついに生涯を閉じたまう。

 ここからディオファントスの生きた年数を求めよ、というのが問題である。解答を補遺3に示した。

サイモン・シン『フェルマーの最終定理』新潮社2000年

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