医療大麻の効果
「ぼくの場合はいろんな場所に病巣が出ました。半月、手足がまったく動かない時もあった。それを見かねてなのか、入院先の担当医が『医者の立場では言えないが、MS(=多発性硬化症)には大麻が効くんだ。改善は難しいけど発症から最悪までを遅らせられる』と教えてくれたんです。僕は『大麻は麻薬だろう? 本当にそんなものが効くの?』と半信半疑でした。
自分で調べるうちに海外では多発性硬化症治療に大麻が使われていることがわかる。「ハワイなら手に入りやすい」という知人のアドバイスを受け、「大麻を吸いにハワイに行きたい」と家族を説得した。製薬会社に勤務していた妻(50)は、当時の気持ちをこう振り返る。「麻薬といわれるものの中でもモルヒネなどは薬として使われているのに、大麻だとなぜダメなのか。とにかく、何でも試してみたかった。主人はそれくらい悪い状態だったんです」
妻の理解を得て幼い子供2人も一緒に家族全員でハワイへ飛んだ。
医療用の大麻が合法化されている国には現在、カナダ、イスラエル、ドイツ、スペイン、オランダなどがある。米国ではハワイやカリフォルニアなどの13州が州法で合法だ。(中略)
「僕が訪れた当時はまだ、ハワイでも大麻は違法だった。幸い日本をたつ前にコンタクトをとっていた現地の医師から非公式に提供してもらい、病気の経過をみてもらうこともできました」
小笠原さんはその医師のアドバイスどおり大麻を1日3度吸引した。
「最初は痛みが和らぐくらいで大きな変化はなかったのですが、3日目から、つま先から徐々に力が入るようになりました。3週間ハワイで大麻を吸った結果、車いすから歩けるようになったんです。そりゃもう感動しました。苦労をかけた妻や子供と『やったやった』と泣いて喜びました。
財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターのホームページには、<どんな形のものにせよ、大麻は心身に有害です>としっかり書かれている大麻だが、
「あくまでも僕の体験に限った話ですが、日本に帰って大麻が吸えなくなると症状が悪化しました。僕は大麻で幻覚や多幸感など、いわゆる"ハイ"にならなかった。まず痛みが止まるので、そこで吸うのをやめるんです。依存症も感じない。何よりも、ステロイド剤の量を減らせるので体が楽でした」(小笠原健次さん・43歳)
大麻はなぜ悪いのかPart3 海外では大麻が難病治療で効果を上げている『週刊朝日2009.6.26』
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