同管です
男と女、どちらが高等か? かつて読んだ文章にこんな問いがあった。
生物の高等・下等は何で決まるか。女性側から次のような発言が出た。それは分化の程度である。分化、すなわち目的に応じてより専門化が進んでいること。その視点から見ると答えは明らかである。女性は、尿の排泄のための管と生殖のための管が明確に分かれている。しかるに男性は、尿の排泄のための管と生殖のための管がいっしょくたである。つまり女性の方がより分化の程度が進んでいる、と。
これは半ば冗談として語られた話だったろう。しかしあらためて考えてみると、排泄物である尿と子孫の維持に不可欠な精子が同じ管を通って出てくるというのは奇妙なことである。おしっこの道具であったはずのものにそんな機能があるなんて。精通が始まった少年たちはおそらく皆その快感の感触とともに、ある種の気恥ずかしい、どこか不道徳な思いを一瞬たりとはいえ抱いたはずだ。
福岡伸一『できそこないの男たち』光文社新書2008年
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