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2009.04.20

顕微鏡歯科

「顕微鏡歯科といっても、やることは変わりありません。ムシバや歯周病など、通常の歯科治療です。ただ、それを暗くて狭い口の中でやるのがいかに難しいかということなのです」(『デンタルみつはし』三橋純医師(院長)

「虫歯に近接した歯に傷がつくと、60~70%の確立で新たな虫歯になります。この事実はすでに科学的に証明されていますが、論文を読むまでもなく、歯科医であれば経験的に分かっているはずです。厳密に言えば、これはある意味"傷害罪"ですよ」(三橋医師)中略

 質といえば、治療の様子を取材した際に見慣れないものがもう一つあった。「ラバーダム」と呼ばれるゴム製のマスクである。患者の口の中に取り付けることで、治療中に唾液からの細菌感染を防ぐ。日本では現在、ラバーダムを使う歯科医はごくわずかだ。質よりコスト減を優先せざるを得ないからである。だが、三橋医師によると、アメリカでは動物病院で犬の歯を治療するときにもラバーダムを使っているという。まさに「治療の質」に踏み込もうとしない、日本の歯科医療政策がいかに貧しいものかおわかりだろう。

 現状では、顕微鏡やラバーダムなどの導入を決めるのは歯科医だ。だが、玉石混淆の歯科医療にメスを入れるのは行政の責務といえる。私たちは患者自身も、歯科医を選ぶ際は「歯磨き方法などの予防指導を徹底してくれる」「顕微鏡を導入している」「ラバーダムの使用など、感染予防にコストをかけている」といった視点を持ちたい。

伊藤隼也(医療ジャーナリスト・写真家)/ニッポンの最先端医療 今回のテーマ顕微鏡歯科『週刊現代2009.4.25』

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