母の忠告
「息子のおれがもっといいところに住める様にしなきゃいけなかったのに」
「それはちがうわ、レオ。聞いてちょうだい。わたしたちがおまえを愛しているのは、おまえがわたしたちにいろいろとしてくれるからだって、おまえはそんなふうに思い込んでる。子供の頃でさえそうだった。それはちがうわ。おまえはもっと自分の人生に心を向けるべきよ。わたしたちはもう歳なんだから、どこに住もうと大したことじゃない。今だってわたしたちが生きていられるのは、おまえから何か知らせがないかって、それを待つことができたからよ。会えるのはもうこれが最後かもしれない。それはお互い認めなくちゃね。意味のない計画なんて立てちゃいけない。できるうちにお互いさよならを言うべきね。レオ、おまえを心から愛してる。おまえはずっと母さんの誇りだった。おまえが仕えた政府がもっといい政府だったらよかったのに、そういうことよ」
トム・ロブ・スミス『チャイルド44 下巻』新潮文庫2008年
| 固定リンク
|
「家族」カテゴリの記事
- 赤ちゃんの目からみた呼び名(2010.07.23)
- 龍馬遺品(2010.04.28)
- 大統領の耳(2004.04.22)
- クラス一有名なパパ(2010.04.17)
- 映画館(2004.04.28)





コメント