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2009.01.29

1200人の高項レステロール血症実業家に聞きました

そもそもコレステロールというのはそこまで毛嫌いするものなのでしょうか? じつはコレステロールは、人間の六〇兆個の細胞の膜の成分でもあります。また、ストレスに耐える副腎皮質ホルモンや、胆汁などの原料にもなっている、私たちの体に欠かすことのできないものなのです。

 それだけではありません。最近は、「コレステロールが高い人のほうが長生きする」というデータが国内外で数多く発表されています。
 たとえば、フィンランドで、高コレステロール血症の一二〇〇人の実業家を対象に行われた調査研究があります。ここでは高コレステロール血症を食事療法と薬で下げたグループと、何も講じなかったグループに分けて比べてみたら、一〇~一五年後の心筋梗塞の発症率・死亡率ともに、高コレステロール血症を下げたグループのほうが高かったという結果が出ています。また、アメリカのカリフォルニア大学の研究でも、コレステロールの摂取を食事で制限した人の六〇%が動脈硬化がさらに悪化してしまい、改善例は三%しかなかったこと、そして、血中コレステロールを薬剤を使って下げた人の四〇%でも動脈硬化が悪化してしまったという結果が出ている。
 また面白いことに、消防士を対象にした調査では、「血中コレステロール値の高い人のほうが低い人に比べて責任感も強くて、社交性もあり、優秀である」(アメリカのノースカロライナ大学)という結果や、「詐欺などの知能犯に比べて、暴力犯の血中コレステロール値は低い」(フィンランドのヘルシンキ大学)などという結果まで出ているのです。
 たしかに血中コレステロール値が低いと、人間の精神活動に大きく影響しているセロトニンが脳細胞で利用されにくくなる結果、情緒不安定になったり、鬱病になったりすることもあります。それに、反抗的・暴力的になったり、殺人や自殺、交通事故を起こす確率も高くなったりすることもわかっています。これでは、コレステロールが低いこと自体がいいのか疑問ですね。

安保徹(新潟大学院教授)×石原結實(医学博士)『病気が逃げ出す生き方』講談社2008年

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