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2008.11.20

日産工場跡地の購入先

島田さんは、新宗教の集金システムを4つに分類する。

 1つは、立正佼成会や天理教などほとんどの新宗教が採用している「献金型」。会費を徴収していても月額200円程度のため、布施や喜捨の献金に頼っている。
 第2は、創価学会や生長の家のとる「ブック・クラブ型」。
「創価学会は、新聞、雑誌、書籍の売り上げで、日常的にお金が入ってくる仕組みになっています」
 第3は、密教系の阿含宗の「スーパー・コンビ二型」。先祖供養の護摩木1本100円から始まって、卒塔婆供養、冥徳供養、万燈供養、解脱永代供養、独鈷加持、御手配願いなど、信者のニーズに応じて選べる「薄利多売」の販売形式だという。
 冒頭の真如苑も、接心、相談接心、特別接心、鑑定接心、供養、護摩とさまざまな形で集金する「スーパー・コンビ二型」になる。ただし、接心を中心とした真如苑は、新しいビジネスモデルを確立しようとしている。それが第4の「家元制度」。
「信者は接心を受ける側だが、修行を重ねて接心をする側に替わっていく。家元制度と同じでだんだんランクが上がっていく。でも、接心はボランティアで自分が利益を得ようとしない。そこがマルチ商法と違う。中間の支部長とかにお金が入ってくる仕組みだとだいたい分裂する。真如苑は支部みたいな組織が弱いので、多分直接本部に入る仕組みになっているのでしょう」
 それが日産の工場跡地を買える財力を生むシステムだろうと指摘する。
 現生での救済を説く新宗教の多くは、戦後の高度成長期に勢力を伸ばしてきた。
「今は、経済が発展して豊かになるという将来図はなくなってきている。宗教も経済発展を前提にして、人が救われるというやり方は通用しない」
 現代は、「おひとりさま宗教」の時代であると指摘する。
「密接な人間関係をつくるのは面倒くさいが、癒されたい。それが現代のトレンドで、そのうえに真如苑とかが乗っている。広間に一杯人がいても静かで、一対一の接心を受けている。オウムの道場で、隣に人がいても関係なくウォークマンで修行をしていたのと似ています」
 本書で述べたことは、新宗教で起こっていることでもあるし、世界のなかで起こっていることでもあるという。
「金融資本主義は、結局、マルチ商法的なもので、みんながバブルを求めて、そこに投資することで利益を受けていく。実体はない。神がいなかったということで、神のバブルがはじけたことと似ています。国が頼りにならないと宗教に頼るが、ヒーリング以上に宗教は人を救えない。宗教にそんな力はないと思います」

島田裕巳(宗教学者)/著者からのメッセージ「新宗教ビジネス」『読売ウイークリー2008.11.30』

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