バブルの象徴は、乗り物と食材
私が今日の事態を予測していたのは、ある時期から世界中で金融バブルの兆候が見えていたためです。
アメリカではMBA(経営学修士号)をとり、大学を卒業したばかりの若手金融マンが5000万円もの年収を受け取っていました。
アラブの富豪が1機500億円のエアバスを38機も買い、メイド100人とロールスロイス2台を積んで世界中を飛び回っているなどといった話も聞きました。
バブルは必ず「乗り物」が登場して終わるんです。17世紀オランダの"チューリップバブル"では球根一つと4頭立ての馬車が交換された。日本のバブルでも高級車がもてはやされました。いまならプライベートジェットやクルーザーです。乗り物に夢中になった連中は、じきにいなくなる。
もう一つのバブルの象徴は高級食材です。中国人とロシア人が高いマグロをどんどん買っていた。シャンパンやワインもそうです。
こういうものにおカネを遣うようになったら早晩、バブルがはじけます。去年8月に天津と北京に行ったとき、「ああ、もう崩壊するだろう」と感じましたが、そのあと中国株が暴落したのはご存じの通りです。
日本でもここ数年、不動産バブルがありました。不動産を証券化して売るREIT(リート)がもてはやされていた昨年春、不動産アナリストなどリートを扱う人間が70人ほど集まるパーティがあったんです。そこで40歳くらいの某リート運用会社課長が、「都内の物件なら、2000億ぐらいは即決(で買い)です」
と言った。私はこの言葉を聞いた瞬間、「アッ、リートはもうダメだ」と直感しました。この発言に、バブルの匂いを感じたんです。ちょうどこの時期を境にリートは暴落、いま日本中で不動産価格が下落して都心の一等地でも買い手がつかない状態になっています。
サブプライム危機を予言した男松藤民輔緊急提言 「終わらない金融危機」「同時株安」で世界はこうなる『週刊現代2008.10.25』
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