ランドルト環
視力検査に使われる端正なデザインの黒いくっきりとしたリング。あれにはちゃんと名称があり、ランドルト環という。二十世紀のはじめ、フランスの眼科医エドマンド・ランドルトが作った。
ランドルト環は、私たちの視力の何を測っているのだろうか。ランドルト環のポイントは、実はその環の大きさではない。環の切れ目の幅なのである。
眼のよさ、とは離れた二点をちゃんと二点と識別できるか、ということである。ひしゃくの形をした北斗七星。柄の部分に三つの星があるが、その真ん中の星はひとつの星ではない。ミザールとアルコルという二つの星が接近してそこにある。かなり眼のよい人でないとわからない。古代アラビア人世界では、これが兵士の視力検査に使われていたという。
福岡伸一/第二回 ランゲルハンス島、一八六九年二月『本july2008』講談社
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