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2008.06.29

CTスキャナー大国

05年のOECDの統計では、日本人の病院受診回数は、年間13・8回である。一方EU諸国の受診回数はドイツで日本の約半分の7回、フランスが6・6回、英国は5・1回である。通院頻度で日本は、OECD加盟の先進30カ国のうちのトップなのだ。
 

 

 平均入院日数も、日本は35・7日で断トツに長い。フランスが13・4日、ドイツが10・2日と、日本の3分の1程度である。英国は7・0日間で、米国は、平均6・5日。
 日本の統計には療養型病床も含まれており、単純比較は難しいが、それでも、日本人は頻繁に通院し、飛びぬけて長いといえる。こうした点に加え、受け入れ側である日本の病院にも、国際比較で際立つ特異な点がある。
 人口1000人当たりのベッド数の比較である。日本の14・1床に比べて、ドイツ8・5、フランス7・5、英国3・9.米国はたった3・2床にとどまる。前述のように日本の病院が、長年、高齢者用の福祉施設のように利用されてきた事情もあり、統計だけで一概に比較できないのは確かだ。だが、医療と福祉が渾然一体となり、医療費を押しあげてきたのは事実である。
 医療機器の整備でも、日本は群を抜く。米国や英国の病院に比べて、CTスキャナーやMRIなどの高額精密機器の人口当たりの設置台数は飛び抜けて多い。OECDの統計では日本は世界最多のCTスキャナーとMRIを保有する。人口100万人当たりのCTスキャナー数は92台、米国の約3倍、英国の約12倍だ。(中略)
 では、日本と比べて諸外国の医療はお粗末なのか。そんなことはないと、春山氏は強調する。
「例えば、イギリスでは、風邪などの一般症状では病院を受診することは出来ません。自分の健康を長年、診察・把握している掛かり付け医がいて、まず、そのクリニックで診断を受けます。掛かり付け医ですから、医師は患者の事情に精通しています。体調を崩せば、症状だけでなく、患者の生活まで全体像を捉えて診断出来ます。もし、治らずに検査が必要だと判断したとき、初めて掛かり付け医が、CTスキャナーなどが設置されている病院を紹介するのです」

櫻井よしこ/あえて言う「後期高齢者医療制度」は絶対に必要だ[第1回]「終末期医療の信じ難い光景『週刊新潮2008.7.3』

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