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2008.02.29

糖尿病の視点

糖尿病のメカニズムは、実は本来、飢餓的状態に置かれていたわれわれの先祖の捕食者や病原体に対するロバストネス(強靭さ)を向上させるメカニズムであった可能性があり、それは、現代の環境では脆弱性をつくりだしているということがわかります。同時に、病気というものが、体のどこかがランダムに悪くなったというものではなくて、進化の必然、進化と環境変化の必然だという側面があるということもわかってきます。

<<ダイアログ!>>
竹内 普通のイメージだと、病気というと、なにかどこかが単にうまく機能しなくなったみたいな感じがありますが。
北野 そういう病気もありますが、特に難治性疾患の多くはそうではない。
竹内 逆に、それを取り除けば治るというイメージがあるんですけど、そうじゃないんですね。
北野 ロバストネス(強靭さ)とフラジリティ(脆弱さ)のトレードオフは、必然的に存在するものです。極端な話、対処療法的にはある程度のことができるかもしれないけど、本質的には取り除くには、環境を元に戻してあげるしかない。といっても、これは進化的なタイムスケールでの話になってしまうので、現実的ではない。2型糖尿病に対しては、まず食事と運動をコントロールするということですよ。そこの環境が変わったわけだから。だから、それをコントロールするということを最初に考えるべきです。それ以外だと、その原因を残して、対処療法でやるということになってしまうと思うんです。
竹内 生活習慣病という言葉を使うのは、まさにそういうことですね。
北野 そうですよ。それは非常にいい言い方で、どこが生活習慣かというと、進化的に適応した生活習慣と、現代の生活習慣の違いなんです。

北野宏明/竹内薫『したたかな生命―進化・生存のカギを握るロバストネスとは何か』ダイヤモンド社2007年

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