昼夜逆転はダメ
若者や子供にこのような夜更かしが広がり、日中はほとんど授業を受けるような体調ではないのである。いわんや、午前中やお昼過ぎまでは半分寝ているという体調である。ここで臨床にたずさわる川田信昭先生(川崎で東洋クリニックを開業)のお話を聴くことにしよう。
東洋医学の治療をしていますと、昼と夜とを逆にした生活をしている人はなかなか自然治癒力が出せないんですよ。病気になっても、普通、日中は交感神経が働いて、内臓、筋肉、骨を動かして生産活動をして、夜はそういうものを全部休めて、副交感神経が主体になり、疲れをとっています。それが自然のリズムなんです。それをちゃんと引き出してやるような治療が東洋医学なんですけど、昼、夜逆転してしまって、からだを壊して治療に来た人は、非常に治りが遅いというか、なかなか元に戻れないんですよ。
ですから、最初にわたしのところへ来たときには、まず睡眠をきちんととるようにいいます。副交感神経は必要があって優位になるわけです。交感神経の過緊張をとるために、夜は副交感神経を優位にして、からだのバランスをとっているんです。それを夜も起きてめちゃくちゃにしていると、夜も交感神経が優位になる。すると生命維持機能がバランスをとろうとしているのに、副交感神経の働く場がなくなってくる。それで自然治癒力が回復しないんです。だから、交感神経と副交感神経のバランスをとることが大事で、そのためにはまず第一に睡眠をキチッととることなんです。うちに来る人には、あなたは病気で来ているんだから、睡眠時間をできるだけ減らさないように、自分が必要と感じた睡眠時間を絶対に短縮しないで、どんな場合でも確保して昼夜逆転しないようにと指導しています。それを守らないとうちに来てもダメだよ、といいます。
安保徹『免疫進化論』河出書房新書2006年
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