能面のような表情
ちょっと優等生っぽい彼に、人生は読めるのか、と挑発的な問いかけをしてみた。すると――。
「人生は読んでも当たらないので、読まないことにしてるんです(笑)。将棋でも、三手先が全然思ってもいなかった展開だったということがよくありますし、人生は、それ以上に難しいでしょうし、あまり先のことを考えていても、間違いなくその通りにはならないだろうなということだと思うのです」
対談後、どちらが年上かわからないと苦笑したのは、こちらが"大人"になっていないからか。
羽生さんは感情をあまり表に出さない。それについての彼の答えはこうだった。
「職業病みたいなものでしょうね。怒っても、あまり表情には出さないようです。相手に内面を悟られないように、能面のような表情をすることを、小さいときから習慣にしてしまったので、喜怒哀楽を素直に表現することがなかなかできないかのかもしれませんね」
佐高信 ●「弱い力を持っている二十枚の駒をいかにまとめ大きな力にするか」――羽生善治『変わり者が日本を救う』光文社2002年
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