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2006.07.20

大学受験に3度失敗して精神科医を目指す

「精神疾患に対する偏見があって、精神疾患を<心の病>と言い換えている。釈然としないところがある」

 精神疾患は、脳という体の一部が変調して起きる問題であり、脳と心は同じではないという。
「心が病んでいるというと、その人の存在そのものが否定されるような印象を持つ」
 患者さんは心から悩んでいるが、心が蝕まれて病んでいるわけではないとも言う。
<心の病>という表現が好きになれない理由を、もう一つ挙げる。
「人は一人で悩んだり苦しんだりしているわけではなくて、他の人や環境との関わりで悩んでいる。脳の機能に対する治療は必要ですが、同時に人と人との関わりとか環境との関わりとか総体的に見ていくことも必要。<心の病>というと、個人の問題に集約されていく」
 精神症状は、ある意味で、心のメッセージだという。
「うつとか不安を感じないと、かえって良くないことがある。人とうまくいかなかったら落ち込んで後悔したほうがいいし、新しいことを始める時は不安になって逡巡したほうがいい。それが行き過ぎるとつらくなるが、両者に明確な切れ目があるわけではない」

著者からのメッセージ/大野裕『「心の病」なんかない。』『読売ウイークリー2006.7.30』

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