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2005.01.10

ギャンブル依存症という病気

パチンコに狂った親が車中に子供を置き去りにして死なせてしまう事件が跡を絶ちませんね。あれは氷山の一角で、いまや統計的には二百万人のギャンブル依存症がいると考えられます。正式には「病的賭博」という病名ですが、アルコール依存症などと同様、やればやるほど深みにはまるのが特徴です。離脱期(禁断症状)もありますから「ギャンブル依存症」と呼んで差し支えないでしょう。要するにギャンブルのことしか考えられなくなってしまうのです。いままで二百症例以上を診てきましたが、日本のギャンブル依存の特徴はパチンコです。

―そこまでハマってしまうのは意志が弱いからですか?
 違います。意志や性格の問題ではありません。これはまさに病気なのです。ですから、家族がいくら説教をしても、何の役にも立ちません。最初のうち家族は借金の尻拭いをする代わりに誓約書を書かせたりするのですが、これは全くの無駄です。糖尿病や高血圧を意志の力で治そうとしても駄目でしょう? それと同じで、重要なのは一刻も早く「治療のコース」に乗せることです。まずは二ヶ月、三ヶ月の入院治療こそが有効です。脳の生化学的研究によると、ギャンブル依存者は、ドーパミンとノルアドレナリンの量が増加し、セロトニン系の機能が低下していることが明らかになっています。つまり、人間の脳の仕組みからしても、誰でも陥る可能性がある病気なのです。私は、たとえお釈迦様であっても、ある条件に置かれれば立派な「ギャンブル依存者」になると考えています。
―ギャンブル依存症は治るのでしょうか。 
 すべての依存症がそうですが、治ったと思っても、再び始めてしまえば元の木阿弥。ギャンブル依存も、治癒ではなく、「回復しつづける」ということなのです。事実、ある人は一年半くらいパチンコから離れていましたが、「新台入れ替え」のチラシを見て腰が浮いたそうです。最近のパチンコ業者はDMを送ったりしますから、みな誘惑にさらされている。私たち医師にとっては、業界は治療の敵ですよ。実際、庶民の娯楽、ゲームといったレベルをはるかにこえたギャンブルになっていると思いますね。昔から、為政者は賭博を厳しく取り締まってきました。日本でも天平時代の双六禁断の法から明治政府の賭博犯処分規則などがあります。それだけ、賭博が社会の土台を腐らせてしまうものだと分ていたのでしょう。ところが、戦後日本は野放図に規則を緩める一方。こんな国は世界を見渡しても、どこにもありません。加えて、消費者金融やヤミ金融の手軽さが事態を深刻にしています。私は、この本を通じて、ギャンブル依存についての理解を社会に深めてもらいたい。このままでは、日本はギャンブルによって壊れていくに違いないと考えるからなのです。

帚木蓬生(作家・精神科医)/警告! ギャンブル依存が社会を蝕む『波2004・12』新潮社

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「投資はギャンブルではありませぬ。」などと奇麗事を言うつもりは全くない(少なくともギャンブルとして実行している方は多々いますので。)ので、依存症にならないために... [続きを読む]

受信: 2005.01.10 14:11

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