読むスピードはその人の社会状況で決まる
日本で最初の速読一級の検定試験合格後、速読を入り口としたSRS(スーパー・リーディング・システム)能力開発法を提唱し、実績を積んできたのが栗田昌裕氏だ。栗田氏は、現代人にとって、なぜ速読が必要なのかについてこう語る。
「情報が山のようにあることイコール情報が豊富でよい、ということにはなりません。肝心なのは、目的に沿って必要な情報を効率よく選択・吸収することです。最小の時間と最上のエネルギーで、情報の山の中から自分にとって有益な情報に素早く到達し、それを瞬時に評価する能力が求められるのです」
栗田氏は、小学校のころから「記憶力」や「速読」に興味をもち、それを高めようと努力していたという。例えば、百科事典や昆虫図鑑を丸暗記しようとしたり、子ども向けの文学全集をどれくらいのスピードで読めるかなどを測っていた。
普通の読書の場合、眼球の動くスピードは一分間で二〇往復がせいぜい。一往復で一行読むことができるので、一行四〇字とすれば八〇〇字が限界だ。ところが、眼球をスムーズに動かす訓練をすることで一秒に一往復するようになれば二四〇〇字を読める計算になる。それでも四〇〇〇字(一分間に一〇〇往復)が天井(上限)だと知っていた、と栗田氏は言う。
「読むスピード、活字を頭と感覚で追うスピードは、その人の社会生活の状況で決まります。幼いころに最初に教わった読み方で、一行一行丁寧に声を出して読むような方法では、一分間に四〇〇〇字を超えることはできません」
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