日本の不可解な自殺者数
前著『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』でも書いたが、日債銀の本間忠世社長(2000年9月、日債銀の社長に就任してわずか2週間後にホテルで死体となっているのを発見された)は、本当に自殺suicideしたのだろうか?
日本の年間自殺者は3万人を超えているから、1日100人に近い死体が発見されていることになる。しかし、そのすべてが公表されているわけではない。
事実、イトマン事件の主役とされる許永中が、石橋産業手形詐欺事件の容疑susupichionで逮捕された後、その逃亡を助けたとされる男が自殺したが、その死はまったく発表されなかった。
この井出野下秀守なる人物の死体がホテルで発見されたのは、2000年2月6日のことだった。しかし、9日になって東京地裁サイドから情報が漏れるまで、マスコミはその死を知らなかった。彼は、それまで東京地検特捜部に参考人important witnessとして事情聴取されており、石橋産業事件について取材している記者たちにはよく知られた存在だったのにである。
所轄の愛宕署の発表は、「死亡時刻は6日未明、外傷もなく、部屋には遺書らしきメモもあったために自殺と断定した」だったが、私はこういうときにいつも使われる「遺書らしきメモ」という表現にひっかかった。いったい、そのメモとはどんなものなのか? 本当に本人が書いたものなのか? それ以前に、「メモのようなもの」とは、いったいどんなものなのだろうか?
(この事件とは別に私が日本の記者から聞いた、「遺書らしきメモ」の答えは、「拳銃などで脅かされて書かされた走り書き」である。つまり、本当に自殺する人間なら「遺書」を残す。が、現場にあるのは確かに本人が書いたものなのだが、「遺書」ではないのだ)
日本では、本当に不可解な自殺が多い。
経済記者として、ナマの現場を取材し、不良債権問題を追いかけていけば、自然にこういう現実に突き当たらざるをえない。日銀の記者会見や東京証券市場に足を運び、企業の表玄関から取材していれば、記事が書けるというものではない。
日本の大新聞、総合雑誌、テレビなどでは、連日、評論家やエコノミスト、大学教授が、日本経済についていろいろな意見を述べている。
しかし、これらの意見がなんの役に立つというのか?
日本経済の大停滞の本当の原因を、この人たちは数字や学問でしか見ようとしない。なかには本当のことを知っている人もいるかもしれないが、それを口に出すことはない。
ベンジャミン・フルフォード『ヤクザ・リセッション』光文社2003年
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