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2004.12.03

子離れのすすめ

二十歳前後の男は、よくいうとナイーヴで、悪くいうとひ弱で切れ易い。こんな子供を追い詰め、息苦しくさせないよう親たちは一刻も早く、子供から自立すべきである。

 まずその第一は、親は子供から離れるべきである。いくつになっても、子育ての頃を思い出して、べっとりまとわりつく。これがもっとも、子供の自立を遅らせ、社会への適応性を失わせる。
 第二に、子供にあまり期待しないことである。大学も入りたければ入ればいいし、入りたくなければ入らなくてもいい。
 子供は子供の一生で、親が介入したところで、どうなるわけでもない。要するに、子供の将来に対して、子供に自己責任をもたせるようにするべきである。
 そして第三に、親や親なりに、仕事や趣味に楽しみを見出すようにすること。
 概して、日本の親は子供を愛し、心配し、いろいろ世話さえやけば、いい親だと思い込む傾向があり、まわりもそう思い込んでいる。
 だがそれは子供にとっては余計なお世話で、自分の仕事や趣味や遊びを、きちんとやっていない親ほど、簡単に存在感を示せる、子供にまとわりつくことになる。
 これは見方を変えれば、いじくり易い玩具を、勝手にいじくりまわしているのと同じこと。
 こうして、親自身が色々な人と接し、きちんと遊ばないから本当の意味で人間がわからない。わからないから自らも成長せず、子供いじりに精を出すことになる。

渡辺淳一/殺される親たち『週刊新潮20004.12.9』

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