飲む中絶薬
19歳で50人に1人、18歳では64人に1人―。2003年度1年間だけで、これだけ多くの若い女性が人工妊娠中絶をしていたことが、厚生労働省の調査で分かった。
もはや10代の中絶率は10年前のほぼ倍というショッキングな数字に驚きが広がったが、実態はもっと深刻なのかもしれないのだ。
いま厚労省が警戒感を強めているのは、「飲む中絶薬」だという。「RU486」と呼ばれ、日本では薬として承認されていないのだが、インターネットなどで出回っているらしい。厚労省はこのほど原則として医師の処方箋がなければ輸入できないようにするなどの制限措置をとった。
この薬にはホルモンの働きを抑制する効果があり、1980年にフランスで開発。現在は、ほかに米国、中国、スウェーデンなどで認可されている。
制限措置の背景を厚労省はこう説明する。
「今年6月、香川県の20代の女性が服用し、1ヵ月後になっても出血が止まらないという被害が報告されました。詳しい調査に入ったところ、インターネットで簡単に手に入る薬の中で、最も危険なもののひとつと判断しました。いわば人工的に流産させる薬なんです」(同省医薬食品局監視指導・麻薬対策課)
子宮外妊娠には効果がなく、むしろ卵管破裂の恐れがあるとされるが、同省によれば、昨年秋に過って子宮外妊娠の女性が服用してしまい東京の病院で緊急手術を受けたとの情報もあるという。そんな薬が、どうして出回ってしまったのか。日本産婦人科医会は、こうみる。
「やはり性の低年齢化でしょう。お金もなく、親にも話せない若い女性が妊娠すると、簡単に手に入るこの薬に頼ってしまうのではないでしょうか」(同会事務局)
NewsBrowsing『週刊朝日2004.11.26』
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