« 自分を育てる親は自分 | トップページ | 三島のコンプレックスに触れた »

2004.11.02

これが天才の目か

美輪 緑が丘のお家ですね?
瀬戸内 そうそう。普通の家ですよ。玄関脇に二畳から三畳の編集者が待つ部屋があって、そこにいれられて待っていたら、近くでトイレを流す音が聞こえてきたのね。そしたら、痩せて、貧相な男が出てきましたの。

瀬戸内 書生風の紺絣の着物を着て、細くて青白いのに、とても濃い脛毛が短い着物の裾から出てた。ねぎに毛が生えているみたいだった(笑)。
 ただ、目が爛々としていて、それはもう、ぞっとするほどきれいで。
美輪 きれいだったでしょう。赤ちゃんみたいなの。
瀬戸内 目がきらきら光ってて中で燐が燃えているようで、私には金色に見えましたよ。暗闇の猫の目みたいに光ってた。これが天才の目かと思いましたね。
 姿形は貧相だけれども、目はわぁっというほど美しくて、ほんとに感動しましたよ。
美輪 それで、眉毛から額にかけて、うぶ毛がそっと生えているのね。これがまた美しかった。

緑が丘の家 三島は、目黒区緑が丘に、一九五〇年八月より、大田区南馬込の新居が完成する五九年六月まで暮した。

瀬戸内寂聴×美輪明宏『ぴんぽんぱん ふたり話』集英社2003年

|

« 自分を育てる親は自分 | トップページ | 三島のコンプレックスに触れた »

」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26560/1829850

この記事へのトラックバック一覧です: これが天才の目か:

« 自分を育てる親は自分 | トップページ | 三島のコンプレックスに触れた »