自然のオアシス
「私、大嫌いなのが、川端康成の<俺がこいつを女にしてやった>という一節。こういうベースでもって、性的な場面が描かれてきたと思うんです。それを崩したいという気持ちがものすごくありました」
「江戸という都会の中で、自分たちの身体でもって自然のオアシスを作りあげているお話しですから、私自身、そのコンセプトは好きですね」
こうして趣を変えながら、坂東さんは女と男に語りかける。
「今、女性がセックスについて言語化して思考することが必要なんじゃないかと思います。性の話題はタブー感があるので、腰が引けてしまう。腰が引けると言語が出てこない。そうすると思考が深まらない。といって、現場で表現するのはむずかしい。私はこういう性意識をもっていてなんて言ってると、議論になってしまってセックスどころじゃなくなるでしょ(笑)。だから、小説化されたもので女性の嗜好を読んでもらえればと。今、日本に蔓延するレイプ描写は決して女性にとって楽しいセックス文化ではないと伝えたいですね」
坂東眞砂子/南の島から届いた女性のための性の物語「春話二十六夜」上巻「岐かれ路」、下巻「月待ちの恋」『YomiuriWeekly2004.12.13』
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