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2004.10.25

ひなどりの恋

 倒れたときは胆管炎と膵炎を発症していました。総胆管膿腫はがんを併発する病気で、その可能性が十分みられたため、オペを勧めたんです。

 倒れる寸前は、毎日一キロずつやせてきました。手術をして退院するまで二カ月はかかると言われましたが、決心しました。仕事のことも気がかりでしたが、すでにがんになっていたら余命二カ月と宣告されて。手術は五時間ぐらいかかったようですが、それから三日三晩、私は眠ったまま。目を覚ましたときに、そばにいてくれたのが彼でした。きっと当直をして、ずっと付き添ってっくれていたんですよね。
 そんなことはないけど。
 えっ? ずっといてくれたんじゃないの?(笑い)
 じゃあ、そういうことにしておきましょう。(笑い)
 彼は私が生れ変って、第二の人生で初めて会った人だったんです。目覚めて、初めて目が合って・・・・・・。ひと目惚れでしたね。だから私は、「ひなどりの恋」だと言ってるんです。そのおかげで、1カ月で退院できました。でも、私の退院の日に彼のお母さまが亡くなられたんです。
 同じ日だったね。退院を見届けてから、僕は九州の実家へ帰って、その足で君のお母さんに会いに行った。
 葬儀を済ませてから、私の家へ来てくれて、「これまでは主治医という形で、お母さまとお会いしてきましたが、これからは結婚を前提としておつきあいさせていただきたい」とね。あなたのお母さまが私たちを結びつけてくださったのね。

夫横山剛(36)医師×宇都宮慶子(35)シンガー・ソングライター「夫婦の情景」『週刊朝日2004.11.5』

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