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2004.10.01

古九谷の謎

東京では30年ぶりの「古九谷」展が人気だ。「古九谷―その謎に迫る―」展(出光美術館、11月14日まで)。

 同美術館の荒川正明学芸員がこう説明する。「江戸に先立つ桃山時代は銀の産出を背景にしたバブルの時代でした。富裕な大名が豪華な宴を開き、珍味を盛る景徳鎮の器の数々を使ったようです」
 が、明から清への混乱の中で中国は国を閉ざし、日本は自前で陶磁器を作ることを余儀なくされる。こうして1640年ころに誕生したのが古九谷なのだ。その古九谷の謎とは、一体?
「産地に、加賀と佐賀の両説があります。古九谷の名称は、1800年代はじめに九谷の地に新しい窯が作られた際、かつての磁器と区別するために生まれており、江戸時代には古九谷は加賀産と信じられていました。しかし、近年の発掘調査では、佐賀イコール古九谷大生産地を証明しました」
 古九谷はのちの柿右衛門や鍋島を生む一方、加賀前田蕃の江戸屋敷跡からは大量の古九谷が発掘されるという相反する事実もある。
「現在では佐賀発祥の古九谷製造技術を加賀が導入したことは九谷側も認めるところです。佐賀の鍋島家と前田家は姻戚関係もあり、前田家が古九谷に対し財政的な援助を惜しまなかった、こう考えればつじつまが合うのです」(前出荒川学芸員)

TEMPO『週刊新潮2004.10.7』

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