デパートで冬山遭難
私のところにやってきた患者に、原因不明の幻覚や幻聴に悩んでいる三十歳代の女性がいました。この方は、問診してみると、長年デパートに勤めていたのですが、発症したときの生活はまるで冬山遭難をしたようなものだったことがわかりました。
そもそも、夏場のデパートは、たいへんきつい冷房がかかっています。ところが、彼女は冷たいものが大好きで、夏にはアイスクリームばかり食べていました。冷えすぎた室内で、毎日アイスクリームを食べるのですから、彼女の身体は芯から冷やされていました。そして、腸と皮膚の冷えが、幻覚や幻聴を生みだしていたのです。
幻聴や幻覚をおこす物質として有名なのが覚醒剤として知られるアンフェタミン(ヒロポン)、メタンフェタミンですが、これらの物質は、アドレナリンと塩基組成がたった一つ違うだけです。ですから、腸が冷えてミトコンドリアの代謝が狂えば、本来アドレナリンができるところに、メタンフェタミンができる、ということがおこりうるのです。そして、腸でおこる神経伝達物質分泌の異常は大脳辺縁系に急速にダメージを与え、脳内ホルモンのバランスを乱します。となれば、鬱病や幻覚、幻聴、統合失調症を発症してもまったくおかしくないのです。
このデパート勤めの女性の場合は、身体中が冷えて腸の細胞のミトコンドリアの代謝異常を生じ、このような症例では徹底的に身体を温めることが重要です。食べもの、飲みものはすべて四二度にして、シャワーではなく四〇度の風呂にゆっくり入り、湯たんぽで体を温めます。体温を耳で測って三七度以上に保つのが目安です。この患者がそうした手当てを実行したところ、この幻覚も幻聴もきれいになっくなってしまいました。
西原克成『究極の免疫力』講談社インターナショナル2004年
| 固定リンク
|
「健康」カテゴリの記事
- 飲む前の牛乳は?(2010.09.01)
- 薬は水で飲むもの?(2010.08.31)
- DHA摂取は必要か(2010.08.30)
- 傷口は乾燥させていいの?(2010.08.28)
- 味噌汁の効用(2010.08.27)





コメント