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2004.09.09

免疫学からみたスポーツ

スポーツはやっぱり身体に悪いのです。なぜ悪いのかというと、自律神経の交感神経を過度に緊張させてしまうからです。

 自律神経は交感神経と副交感神経が織りなす神経システムで、本来動物の呼吸は、副交感神経が司っています。進化の過程からみると、口を中心とした顔の筋肉は、舌もふくめてすべて呼吸内臓筋肉に由来しています。副交感神経はこの呼吸と消化の内臓筋肉とともに発達してきました。
 ところが、動物が上陸を果たし、進化してこの顔の筋肉が大脳新皮質の錐体路系で支配されるようになると同時に交感神経が発生するのです。そして激しく運動したときの口呼吸や口を使って話すという、動物のなかでも人類だけしかできない特徴的な動作は交感神経とリンクしていて、他の動物にはないシステムです。ですからスポーツをしたり、おしゃべりをしすぎたりすると、容易に交感神経過緊張を引きおこします。
 逆に、副交感神経を刺激しながら体を動かすようなゆるやかな呼吸運動法は、身体にたいへんいい影響を与えます。たとえば、太極拳、ゆっくり歩く散歩、あとは深い呼吸をしながらゆったりした鼻呼吸体操を行うなどがそうです。このときも、呼吸は必ず鼻で横隔膜と肺いっぱいに吸ってください。東洋系のヨガも悪くはありませんが、呼吸法に気をつけてください。本当に意味のある横隔膜呼吸とは、肺いっぱい酸素を吸いこむつもりで、腰を立てて背筋を伸ばし胸を広げ、横隔膜をつり上げ肩が上がるような形です。当然吸うときに腹がへこみます。

西原克成『究極の免疫力』講談社インターナショナル2004年

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