波の動きは1分間18回
姫川 赤ちゃんの運動を観察していると、蠕動運動というんですか、そうした動きが目につきます。生物の進化を見ても蠕動運動でだんだん大きくなってきたように思うのですけれど、赤ちゃんそのものが発達して大きくなっていく過程のなかに、蠕動運動というものがそこかしこにあるなと思って私は見ているのです。
安保 はい。
姫川 赤ちゃんがおっぱいを飲むときの口の中の舌の動きも蠕動運動だし、体の中の消化管も全部、蠕動運動だし、それから赤ちゃんの動作自体が、這い這いするときのズリッ、ズリッというのが蠕動運動ですよね。あれは要するにリズム的な運動なんですけれども、あれもやっぱり、交感神経・副交感神経の働きとかかわっているじゃないかというふうに思っているんですが。
安保 私が一番気がつくのは、呼吸が一番リズム的ですよね。吸って吐くという呼吸のときの血圧とかを調べていくと、吸うことは交感神経支配で、吐くことはリラックスの副交感神経支配だと、そういう研究した人がいるんです。呼吸というのはそもそも鰓から進化しているから、鰓は何で酸素を最初に得たかというと、波の動きだったんです。波って一分間に十八回押し寄せるらしくて、人間の呼吸も十八回が目安なんです。それよりも速い呼吸をしている人は交感神経優位にあって、それよりもゆっくりの呼吸をしている人たちもいる。たとえば十五回とか十二回とか。そういう人たちは副交感神経優位なわけです。波が打ち寄せて鰓に当たるリズムが呼吸になったり口で飲み込むリズムだったり、消化管の蠕動するリズムにつながっているんじゃないかと思うのだけれど。
姫川 そうすると、進む戻る進む戻るが交感・副交感、交感・副交感っていうようにバランスがとれるように、運動自体がそういうふうに促している・・・・・・。
安保 そう。だから、体を揺らすってのはすごく大切かもわかりません。子どもでも大人でも。
姫川裕里『子育ての免疫学』河出書房新社2004年
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