自己処罰
―東電OL殺人事件の裁判がやっと終わりました。しかし裁判とは別に、渡辺泰子という女性の心の闇は私の中で深くなっていく一方です。まず彼女の拒食症ですが、彼女から尊敬されすぎるほど尊敬されていた父親の死がトリガーとなったことは間違いないでしょうね。
「それは間違いないでしょう。私はこの事件に最初に接した時、『これは自己処罰だな』と感じましたが、佐野さんが細かく調査した彼女の履歴を今こうして聞くと、ますますその感を深くしますね。彼女は死んだ父親を過剰なまでに理想化するあまり、『父親に比べて見下げ果てた自分』『汚い自分』を処罰したいという衝動から行動していった。その結果、心と体が分離され、心が体に『見下げ果てた自分』『汚い自分』になることを命じていってしまったと思うんです」
佐野眞一『東電OL殺人事件』新潮社2000年
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